資料提供者 ?森脇 五郎(国立遺伝学研究所名誉所員)からの御寄稿?

アナナスショウジョウバエ(Drosophila ananassae)の遺伝研究

本種は1931年(昭和6)東京神田の青果市場ではじめて採集されたもので、本邦での採集はこの1回に過ぎず、その後はとれていない。
このことは本種の原産地が亜熱帯即ち沖縄以南で、この1回のものは台湾等から来たバナナ等とともに運ばれたものと思われる。本種に関する私の遺伝研究はそれ以来、途中戦争による中断はあったが約50年余りの間続けられたが、その間種々の特異性が認められ、遺伝研究の好材料の一つとして知られるようになったことは、多くの方々の協力のおかげに他ならないが私の執念でもあった。
(94)これらを最後にまとめたのは1975年発行のHandbook of Geneticsの Vol. III, Chapter 19, D. Moriwaki and Y. N. Tobari. Drosophila ananassaeであるが、関連する主な論文としては、
(21)The Genetics of Some Mutant Characters in Drosophila ananassae. 遺雑14(1・1)(1938年5月)
(14)アナナス猩々蝿の遺伝 遺雑48、1936
(50)アナナスショウジョウバエの遺伝学的研究 遺雑53、1958
(86)D. Moriwaki, Y. N. Tobari and Y. Oguma. Spontaneous crossing-over in the male of Drosophila ananassae.
J. of Genetics Vol.45(No.5) 1970

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