シロイヌナズナ

植物分子遺伝学研究の最先端

シロイヌナズナ(アラビドプシス)は、2n=10のアブラナ科の小型雑草で、ゲノムサイズの小ささ(1.3 x 108)、世代時間の短さ、実験室サイズで多くの植物を育てられるという利点を持つことから、15年ほど前から一躍植物分子生物学の花形となった。

様々な種類のミュータントの分離、形質転換系の確立、外来遺伝子による多数のタギング系統の確立など、世界中の多くの研究室で次々に成果が生まれ、研究素材としての利点もさらに高まった。これらの発展に支えられ、10年ほどの間にアラビドプシスは、世界中の研究室を席巻してしまった。

アメリカ、オハイオ州立大学と、イギリス、ノッチンガム種子ストックセンターにすでに数万のタギング系統と突然変異系統の種子がストックされ、研究者は欲しい系統を誰でも手に入れることが出来る。

10年ほど前からは、高密度遺伝地図、YAC、BACやコスミド物理地図などの素材も揃いはじめ、最近数年ほどは世界中の複数の研究室の共同作業でゲノムの全DNA配列の解読が進められている。1999年5月25日の時点で、全ゲノムの57%がシークエンスされている。2001年にはすべてのシロイヌナズナの遺伝情報がDNAレベルで解読され、植物では初めての例となる予定である。

シロイヌナズナゲノム研究
シロイヌナズナ遺伝資源

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