大腸菌遺伝学年表

大腸菌遺伝学年表(西暦年をかっこで囲んだものは大腸菌以外の生物での遺伝学的に重要な出来事です。)

研究者名 出来事
(1865) メンデル 遺伝の法則の発見
(1881) コッホ 微生物の分離のための寒天培養法の開発
(1900) ド・フリース メンデルの法則の再発見
1907 マッシーニ 大腸菌の糖発酵性の変異株の発見
(1915) トゥオルト、デレル バクテリアのウイルス(バクテリオファージ)の発見
(1944) エイヴェリ、マクロイド、マカーシ 形質転換因子がDNAであることを証明
1944 テイタム 大腸菌の最初に栄養要求性突然変異体の分離
1946 レーダーバーグ、テイタム 大腸菌における性の存在の証明と掛け合わせ実験
1947 レーダーバーグ 大腸菌の最初の遺伝子地図の作成
1948 レーダーバーグ、ジンダー 変異株分離のためのペニシリンスクリーニング法の開発
1950 カバリ 大腸菌のHfr株の分離
(1950) シャーガフ DNA塩基組成の分析
1951 レーダーバーグ バクテリオファージ・ラムダの発見
1952 ルリア、ヒューマン 宿主支配性制限・修飾の発見
1953 カバリ、レーダーバーグ、レーダーバーグ F 因子の発見
(1953) ワトソン、クリック DNAの構造の解明
1955 ベンザー シストロンの概念の提唱
1956 ウォルマン、ジャコブ、ヘイズ 大腸菌染色体が遺伝学的に環状であることを発見
1956 コーンバーグ DNAポリメラーゼの発見
1958 ジャコブ、ウォルマン エピゾームの概念の提唱
1958 パーディ、ジャコブ、ウォルマン ラクトース遺伝子の発現が負の調節を受けていることを発見
1958 メセルソン、スタール DNAの半保存的複製を証明
1960 ジャコブ、モノ オペロン説の提唱
1961 ジャコブ、モノ メッセンジャーRNAの存在を予言
1961 ブレナー、ジャコブ、メセルソン メッセンジャーRNAの存在を証明
1961 ニーレンバーグ 試験管内蛋白合成系の開発と遺伝暗号の部分的解読
1963 ケアンズ 大腸菌染色体が物理的に環状であることを証明
1963 ジャコブ、ブレナー、キュザン オペロン説の提唱
1963 モノ、シャンジュー、ジャコブ アロステリック効果の概念の提唱
1963 ヤノフスキー 遺伝子と蛋白質の情報が線状に同じ順序にならんでいることを証明
1964 ジャコブ、ウルマン、モノ プロモータの概念の提唱
1965 アーバー 制限・修飾の機構の解明
1965 クラーク 組み換え欠損変異株の分離
1966 ギルバート、ミュラーヒル lacリプレッサーの分離
1967 プタシュネ ラムダファージのリプレッサーの分離
1969 ケアンズ DNAポリメラーゼの欠損した大腸菌変異株の分離
(1970) ハミルトン、スミス 制限酵素の作用機構の解明
1973 コエーエン、ボイヤー 大腸菌プラスミドの試験管内組み換え実験
1977 安田、広田 大腸菌複製開始領域(oriC)のクローニング
1981 フラー、カグニ、コーンバーグ oriC DNA の試験管内複製
1997 ブラットナー等 大腸菌染色体全塩基配列の決定

安田成一
参考資料:T. D. Brock著「The Emergence of Bacterial Genetics」(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1990)

大腸菌ゲノムプロジェクト

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