遺伝研50周年記念事業 実行委員会委員長・石浜 明

国立遺伝学研究所は、1999年6月創立50年を迎えた。創立以来、我が国の遺伝学研究のセンターとして、遺伝学の指導的研究者が集い、多くの成果が生まれ、多くの研究者が育っていった。この間に蓄積された研究成果、知的生産の全貌を知ることは現在容易ではない。また、50年間に、研究目的で収集されまた作製された貴重な遺伝学の標本資料が、散逸し、有効利用がなされていない。50周年記念事業の一環として、当研究所の研究成果や遺伝学関連の研究資料などを収集し、併せて、日本遺伝学会を始め、日本各地の研究機関・個人が保存している資料・標本を収集し、散逸・劣化の心配のない方法で収蔵し、研究所内外での遺伝学研究への活用の道を開き、また大学院教育・次世代遺伝学研究者の教育に活用する。これらの目的の為に、研究所附置施設として「遺伝学博物館」を設立する。
「遺伝学博物館」の設立はまた、収蔵標本資料を公開展示し、またインターネットを通じて公開することで、遺伝学の知識を一般社会に還元し、理科教育・市民教育・生涯学習の推進にも寄与することで、遺伝学研究所の社会的使命を果たす目的もある。
これらの目的の実現のために、遺伝学の歴史的な研究成果資料や研究標本資料の収集、それを利用した分析研究・解析、得られたデータの加工・情報抽出・提供を行う研究部門と、遺伝学の知的財産を一般社会に還元・普及する方法を開発し情報を発信する情報公開発信部門からなる組織を含む「遺伝学博物館」を設立する。
この将来構想に向けての第一段階として、50周年を機に、インターネットで公開する「遺伝学電子博物館」を開設する。この充実を計りながら、第二段階では、研究所附置の独立施設として、専任の教官と事務官を配置し、常設展示スペースをも含む、独立の建物をもつ、本格的な「遺伝学博物館」の設立を目指す。その上で、世界各国の遺伝学関連博物館・資料館との協業のネットワークを構築し、国際連帯の事業として発展させる。

本準備室は、遺伝学博物館設立にむけて、資料リストの整理と公開、資料そのものの電子化と公開を行っていくことを目的としています。
そこで、遺伝学博物館に対するアイデア、遺伝学博物館で管理公開することが望ましい資料、御提供いただける資料などの情報をお持ちでしたら hakubutu@nig.ac.jp に御連絡下さい。

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