色覚の多様性と色覚バリアフリーなプレゼンテーション |
HOME > 色覚の多様性と色覚バリアフリーなプレゼンテーション > 第1回 | ||
![]() |
||
![]() |
||
1.2 出発点としての網膜と視物質 網膜 (retina) は 5種類の神経細胞 (視細胞、双極細胞、水平細胞、アマクリン細胞、神経節細胞) が層状に配列する膜状の神経組織である。視細胞はその形態から杆体 (rod) と錐体 (cone) と呼ばれる 2種類に分類される。杆体は弱い光に反応できるために、光の強度に応じて暗所では杆体が、一方明所では錐体が主に機能している。
このように我々は、3種類の錐体の興奮の相対比によってすべての光の色を知覚しており、逆に我々が知覚するすべての色は3 つの原色光 (primary colors) を適当に混ぜ合わせることによって人工的に表現できる*3。このことから、我々の色覚は 3色型色覚 (trichromacy) と呼ばれている。光の色は各錐体の興奮の相対比によって識別されているのであるから、我々の色の弁別能力は、我々がどのような分光吸収特性を示す視物質を有しているかに依存している。3種類の視物質の構造からその性質の違いを見てみよう。
|
||
細胞工学Vol.21 No.7 2002年7月号[色覚の多様性と色覚バリアフリーなプレゼンテーション]
・文章に関しては、秀潤社と著者に著作権がございます。 |
|
「色覚の多様性と色覚バリアフリーなプレゼンテーション」 |
このページへの御意見、御質問は、岡部(maokabe@jikei.ac.jp)までお願いします。 |